へいへいほー、へい・ほう・コン(5)


前号までのまとめ


○ ある数aの平方根とは … 2乗するとaになる数

○ 正の数aの平方根(2乗するとaになる数)は、プラスとマイナスの2つがある。

○ 正の数aの平方根(2乗するとaになる数)は、+√aと-√a の2つがある。

○ ルートの中の数が何かの2乗になっていれば、√なしで表せる。

○ √の中の数が違うと、原則として、足し算・引き算は成り立たない。

○ √a×√b=√ab      √a÷√b=√a÷b

 2×√3 の「×」を省略した 2√3 は、2√3=2×√3=√4×√3=√12
と変形させ、ルートなしの数を、無理やりルートの中に押し込めることができる。

もしかしたら、この逆をやれば、ルートの中の数を外へ出して、○√□に変形できるのでは・・・?

この頃になると、男は、自らが生み出した「平方根」というものを、ある程度自在に操れるようになっていた。ルート付きの数すべてが「○√□」に変形できるわけではない。ある条件を満たしていなければ。

その条件とは、「ルートの中の数が、何かの2乗と別の数との積に分解できること」。例えば、

 √20=√4×5=√4×√5=2×√5=2√5 のように。

このように、ルートの中の数を外に出して、できるだけ簡単にする変形においては、ルートの中の数を
4,9、16、25、36 など、何かの2乗になっている数を使った掛け算に直せばいいわけだ。ここで注意しなければならないことは、前記の数は、できるだけ大きいものを用いるということ。例えば、

 √32=√4×8=√4×√8 ・・・ としたところで、あとに残る √8 をもう一度変形させなければならぬ。

このような面倒なことにならないためにも、32を4のようなチンケな数で割らず、16で豪快に割ることだ。すると、

 √32=√16×2=√16×√2=4×√2=4√2 とイッパツでクリアできる。


[練習2] 次の数を○√△の形に変形させて、√の中の数をできるだけ簡単にしなさい。

 (1)√8   (2)√27   (3)-√40   (4)√72    


 一時は途中でさじを投げた、√の数どうしの足し算・引き算だが、上の変形を武器に、再度チャレンジしてみた。ルートの中の数が同じなら、足し算・引き算はできそうだという手ごたえは以前からあった。しかし、

 √3+√3 は、それ自体計算できるわけではなく、3の平方根(正)が2つあるだけだから、
=2√3 と簡単にするのが精一杯。それでも、何もできないよりはマシである。

根号を考え出す前は、平方根を文字で表してみようかと思っていたくらいだから、

 5√2-3√2 と 5χ-3χ とは、同じようなものなのだ。


[練習3] 次の式を簡単にしなさい。

 (1)2√3+5√3   (2)6√5-5√5   (3)3√2+√2   (4)2√6-4√6


   

 √の中の数を外へ出す変形と、√の中の数が同じものの足し算・引き算を合わせて用いると、(ある特定の)√の中の数が違うもの同士でも、足し算・引き算が成り立つ。

 √50+√32=5√2+4√2=9√2 のように。

このような足し算・引き算は、√の中の数を外へ出して、○√△の「△」が同じ数になるようにしなければならない。


[練習4] 次の式を簡単にしなさい。

 (1)√8+√18  (2)√75-√12  (3)-√27+5√3  (4)√24-√54



答え

[練習2]
 (1)√8=√4×2=√4×√2=2×√2=2√2
 (2)√27=√9×3=√9×√3=3×√3=3√3
 (3)-√40=-√4×10=-√4×√10=-2×√10=-2√10
 (4)√72=√36×2=√36×√2=6×√2=6√2


[練習3]
 (1)7√3   (2)6√5-5√5=(6-5)√5=1√5=√5
 (3)3√2+√2=(3+1)√2=4√2
 (4)-2√6


[練習4]
 (1)√8+√18=2√2+3√2=5√2
 (2)√75-√12=5√3-2√3=3√3
 (3)-√27+5√3=-3√3+5√3=2√3
 (4)√24-√54=2√6-3√6=-√6
    




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